将来へ不安を感じていませんか?

結婚、出産などのライフイベントが一段落する40代以降、男性は大きな責任を担う仕事を任されるなど所謂働き盛りと言われる年代に入ります。女性においては育児に専念する、キャリアを活かして社会に貢献していくなど、それぞれに違った悩みや課題を持ちながらも生活に充実感を見出すことができる年代とも言えるでしょう。

同時に、ぼんやりと見えてくる未来の様々な問題について考え、この年代特有の不安を抱える人が増えてきます。たとえ現在の状況に不満がないとしても、予測がつかない未来について漠然とした不安がある方、掴みどころのない不安だけが募ってしまう方もいるのではないでしょうか。テレビやSNSからは将来の不安を煽るような情報が毎日のように流れてきます。何年後にはこれだけの人が職を失う、これだけのお金がないと老後を暮らせない、などこれらは有用な情報ではありますが、ネガティブに捉えすぎると過剰な不安につながってしまうこともあります。

仕事、お金、介護、健康など将来に不安を覚える要因は人それぞれ違うかもしれませんが、将来に対して抱く不安という感情は誰もが必ず出会うものでしょう。しかし、不安により今の生活を楽しめない、不安に駆られて未来どころか現在の生活の質をも落としてしまうことは誰もが避けたい願いであるに違いありません。

「親の介護」は多くの人が将来直面するだろう人生の大きな課題の一つであり、いつどのように始まるか分からない親の世話に不安を感じ始めるのもこの年代ならではと言えます。どのような形での関わりであれ、誰にも向き合わなければならないときがやってきます。少子化が進み、兄弟姉妹みなで親の面倒を看る時代から、最近では一人の子どもが両親の世話をすることも珍しくなくなりました。子供一人にかかる負担が大きくなるのはもちろんのこと、仲の良い兄弟姉妹であっても介護をきっかけに仲違いをしてしまうことがあるように、介護というのは体力的にも精神的にも苦労の多い問題です。特に親が遠方で暮らしている場合には、これまで通りの生活ができるのだろうか、といった自身の仕事との両立や現在の生活に与える影響など考えなければならないことは更に増えてしまいます。今はまだ大丈夫だと考えないようにしてはみたものの、親の老いの現実に直面し、再び浮かんでくる不安に心が占領されてしまうのも無理はないでしょう。

またこの年代は、寝ても疲れが取れない、無理がきかない、生活習慣病の薬を飲み始めるなど、若い頃には感じなかった自身の不調に悩まされる人も少なくありません。身体の変化から急に歳をとったように感じてショックを受けてしまう、こんなはずじゃなかったと気持ちが沈んでしまうこともあるでしょう。そのような自身の不調が親の介護をはじめとした将来に対する心配を大きくしてしまうこともあるのです。

50代に入ると、否が応でも自身の「老後」を意識するようになるでしょう。日本でも昨今、様々な価値観が認められるようになり、結婚しない、子供を持たないなどライフスタイルの多様化が進みました。それにより家族形態にも変化が見られ、老後を一人で迎える人が多くなっているのが現状です。普段はそれほど意識していなくても、ふとした時に襲われる孤独にまつわる不安に押しつぶされそうになることはありませんか。平均寿命が延びることにより定年後の生活は数十年に及ぶこともあり得ます。誰にも迷惑をかけずに生活できるだろうか、といった金銭面での不安を覚える人も多いのではないでしょうか。また先ほどのような、健康に関する不安も大きくなるかもしれません。

不安には、「しっかり準備しておこう」というサインを送っているという側面もあります。不安を感じ備えることで慌てなくて済むかもしれないし、突然の事態に圧倒されなくて済むかもしれません。不安が大きくなった時には、準備することで小さくなりそうな不安がないか検証してみるとよいでしょう。介護に関してなら、親と少し話をしてみる、介護サービスや地域のサポートについて調べておくなど、その問題から目を逸らさずに少し手を付けてみることで不安が薄らぐことがあるものです。

また、不安に襲われてしまう時には、頭の中で反芻せずに誰かに話すなどして外に出すことをお勧めします。一人でぐるぐると考えていると、どうしても考えがネガティブな方へと行きがちですが、何がどのように不安なのかを話したり書いたりして整理することで、解決に向かう道筋が見えてくることがあるものです。一人では難しいと感じるならカウンセリングを利用してみてはいかがでしょうか。

カウンセリングを受け不安と向き合う中で、自分の中にネガティブに偏った考え方や受け取り方が定着していることに気付かれる方が多くいます。そのような場合は、このような考え方を今より前向きなものへと自身で変容していくことができるようになる認知行動療法を用いたカウンセリングを行います。同時に取り入れるマインドフルネス認知療法は不安の反芻を手放す手立てとなることでしょう。悪い面にばかり目が行きがちな状態から、今ある幸せや明るい未来がみえてくるのを感じるかもしれません。

不安の種が整理されることでも気持ちが楽になることはよくあることです。抱えきれないほど不安が大きくなる前にカウンセリングにいらしてみませんか?